『3月のライオン』14巻エコバッグとサブタイトル(副題)の英語の意味
羽海野チカ最新作『3月のライオン』14巻の特装版には、エコバッグが付録としてセットになっています。
エコバッグの使い心地については、先日記事を書いたのでよかったら読んでみて下さい。

さて、このエコバッグには、表に羽海野チカさん描き下ろしのイラストがあり、裏面に英語の字が書かれたデザインになっています。


この英語は一体どういった意味なのでしょうか。書き出すとこんな言葉が書かれています。
March comes in
like a lion,
and goes out like a lamb.
As hare stares
without blinking.
このフレーズをざっくり翻訳すれば、上は、「3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去る」。
これは3月が荒々しい天候で始まり、子羊のように穏やかに終わる、という意味が込められたイギリスのことわざです。
羽海野チカさんの『3月のライオン』のタイトルの由来も、どうやらこのことわざや、もともとことわざに由来した1992年公開の矢崎仁司監督の映画『三月のライオン』のポスター【画像】、また将棋の世界で棋士たちの順位戦の最終局が3月に開かれることなどが影響しているようです。
映画は観てないんですが、そのポスターが好きだったんですね、すごく。
おかっぱの女の子が食べかけのアイスをくわえているポスターで、その表情がまたすごくよかったんですよ。
それでその映画は観てないんですが、タイトルは頭に残っていて。イギリスのことわざなんですよね、これ。3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去る。
物語がつくれそうな言葉だなとずっと思っていたタイトルです。
このように羽海野チカさん自身も映画のポスターにインスピレーションを得たことを語っています。

漫画『3月のライオン』のサブタイトル(英題)も、しっかりと「March comes in like a lion(ライオンのように三月はやってくる)」と書いてあります。
それでは、下の二行はどういった意味なのでしょうか。
As hare stares
without blinking.
hareは、「野うさぎ」という意味です。
staresは、「目を丸くしてじっと見つめる、凝視する」、without blinkingは、「瞬き一つせずに」。
だから、この部分を直訳すると、「うさぎが瞬き一つせずに見つめるくらいに」といった感じでしょうか。
全体では、「3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去る。うさぎが瞬き一つせずに見つめるくらいに」というような意味になるのでしょう。
ツイッター上では、こんな翻訳をしている方もいました。
先崎学氏の将棋コラムもあり。バッグは今回チャックが閉まるようになっていて、この価格でこの品質のバッグがついてくるのなら特装版が一番コストパフォーマンスいいのでは?と思ってしまう。バッグのロゴには英文で『3月はライオンの如く訪れ羊のように去る、兎が目瞬きする暇もないままに』(拙約)。
— cdb (@C4Dbeginner) 2018年12月21日
こちらのほうが格好いいですね。
このバッグの裏に書かれた英語の意味が、表のうさぎさんと掛かってくるのでしょう。
このうさぎは、「3月」をじっと見つめているのです。