『3月のライオン』付録のエコバッグ
『3月のライオン』14巻エコバッグ付き特装版PV ~「ライオン」meets「ハチクロ」~
羽海野チカさんの漫画『3月のライオン』の14巻には、付録特典として、おでかけエコバッグがついてくる特装版があります。
特装版のほうは、お値段が少し高めの1350円。色とデザインは、「白うさぎ」と「黒うさぎ」の2パターンになります。
エコバッグは、折りたたみが可能で、羽海野チカさんのイラスト描きおろしとデザイン監修です。
今回購入したのは、白うさぎバージョンのエコバッグです。
エコバッグ
エコバッグの入っている箱は、コミック版と同じサイズなので、一見小さな子うさぎかな、と思っていたのですが、広げてみたら結構大柄な子でした。
白うさぎのイラスト
バッグの持ち手の部分を抜いたら、サイズは、だいたい縦横約37cm×37cmくらいで、素材はポリエステル素材です。
色味は薄いベージュ、オフホワイトといった感じでしょうか。

ファスナー付きで、ぱっかりと開くとだだっ広い宇宙が広がり、内ポケットもついています。
ちょっと男性が使うには照れ臭さが勝ってしまうかもしれないので、男性は黒うさぎのほうがいいかもしれません。
あとは、子供がお母さんと一緒に買い物に行くときにこのエコバッグを持っていたらすごい可愛いだろうなと思います。
エコバッグには、表に羽海野チカさん描き下ろしのイラストがあり、裏面には、英語の字が書かれたデザインになっています。
このプリントされた英語は、一体どういった意味なのでしょうか。書き出すとこんな言葉が書かれています。
March comes in
like a lion,
and goes out like a lamb.
As hare stares
without blinking.
このフレーズをざっくり翻訳すれば、上は、「3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去る」という意味になります。
これは、3月が荒々しい天候で始まり、子羊のように穏やかに終わる、という意味が込められたイギリスのことわざです。
羽海野チカさんの『3月のライオン』のタイトルの由来も、どうやらこのことわざや、もともとことわざに由来した1992年公開の矢崎仁司監督の映画『三月のライオン』のポスター【画像】、また将棋の世界で棋士たちの順位戦の最終局が3月に開かれることなどが影響しているようです。
映画は観てないんですが、そのポスターが好きだったんですね、すごく。
おかっぱの女の子が食べかけのアイスをくわえているポスターで、その表情がまたすごくよかったんですよ。
それでその映画は観てないんですが、タイトルは頭に残っていて。イギリスのことわざなんですよね、これ。3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去る。
物語がつくれそうな言葉だなとずっと思っていたタイトルです。
このように羽海野チカさん自身も、映画のポスターにインスピレーションを得たことを語っています。
漫画『3月のライオン』のサブタイトルにも、しっかりと「March comes in like a lion(ライオンのように三月はやってくる)」と書いてあります。
それでは、下の二行はどういった意味なのでしょうか。
As hare stares
without blinking.
hareは、「野うさぎ」という意味です。
staresは、「目を丸くしてじっと見つめる、凝視する」、without blinkingは、「瞬き一つせずに」。
だから、この部分を直訳すると、「うさぎが瞬き一つせずに見つめるくらいに」といった感じでしょうか。
全体では、「3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去る。うさぎが瞬き一つせずに見つめるくらいに」というような意味になるのでしょう。
ツイッター上では、こんな翻訳をしている方もいました。
先崎学氏の将棋コラムもあり。バッグは今回チャックが閉まるようになっていて、この価格でこの品質のバッグがついてくるのなら特装版が一番コストパフォーマンスいいのでは?と思ってしまう。バッグのロゴには英文で『3月はライオンの如く訪れ羊のように去る、兎が目瞬きする暇もないままに』(拙約)。
— cdb (@C4Dbeginner) 2018年12月21日
このバッグの裏に書かれた英語の意味が、表のうさぎさんと掛かってくる。すなわち、このうさぎは、「3月」をじっと見つめているのでしょう。
鞄の理由
なぜ、原画展のグッズなどでバッグ類が多いんですか、という質問に対し、羽海野チカさんが、以前ツイッターでその理由について語っていました。
私の父は、下町のかばん職人で、子供の頃は私もよくかばん作りの簡単な所を手伝っていました。縫った所の糸を切ったり、仮留めしたい所にゴム糊を塗ったり。父と母がミシンを掛けている間、作業場からの母の指示を受けながら晩御飯の支度をしたり
— 羽海野・ライオン14巻・12/21(金)発売 (@CHICAUMINO) 2018年11月2日
そんな父も川本家のおじいちゃんより歳をとり今年は3度の入院などもあり、かばん職人は引退したのですが
父と病院内のエレベーターに乗った時、一緒に乗り込んで来たお見舞いの女性が、前回のエコバッグを使って下さっていて、それを見て父と2人「今の人使っててくれたねぇ」と元気を頂きました— 羽海野・ライオン14巻・12/21(金)発売 (@CHICAUMINO) 2018年11月2日
エコバッグの特装版は2回目なのですが、やはり私はバッグが好きなのです。カバン屋の娘なのです
ミシンの音を聴いて育ったので、小さい頃から「私の思う使いやすいバッグ」を考えるのが好きでした
なのでまた今回のエコバッグも自分でもいっぱい使おうと思っています(´ω`)— 羽海野・ライオン14巻・12/21(金)発売 (@CHICAUMINO) 2018年11月2日
この『3月のライオン』14巻に同封されていた一枚の紙にも、このバッグが好きな理由と、そして、そのとき培われたものに関し、漫画付きで軽く触れられていました。
ちょっと長くなりますが、素敵な文章だったので一部を紹介したいと思います。
小さい頃から両親がミシンをかける音をきいて育ちました
手伝いをしていると最初は上手くできない事でも、考えながらくり返して行くと、だんだん慣れていつかはスムーズに出来るようになる事
そして、「出来なかった事」が「出来るようになる」という事はとても楽しい事なのだということを覚えました
今思うと、くり返しくり返し「小さな達成感」を味あわせてもらえた事は、まんがを描く上ですごく大切な勉強を自然にさせてもらっていたのではないかと
だから、三月堂を描いていると、すごく懐かしい気持ちになります
家族で一緒に同じ物を作った思い出は、私の大切な記憶です
出典 : 羽海野チカ『3月のライオン〈14〉』同封のメッセージ
以上、『3月のライオン』14巻付録のエコバッグでした。