雑誌『MOE(モエ)』で羽海野チカが『赤毛のアン』インタビュー
絵本やアニメキャラクターを中心にした雑誌『MOE』の2019年7月号は、「大人のための海外児童文学」特集。
その巻頭インタビューには、漫画家の羽海野チカさん。羽海野さんは新訳『赤毛のアン』シリーズのカバーイラストを担当し、雑誌の表紙も羽海野チカさんが描いたアン。うねうねしたオレンジ色の癖毛にそばかす、そしてあどけなさの残る笑みで、ほんのちょっとハチクロのはぐちゃんにも似ています。
インタビューの量はそれほど多くはなく、見開き二ページで、内容は、羽海野さんがイラストを依頼された『赤毛のアン』に関する思い出や、子供の頃に愛読した海外の童話からの影響です。
羽海野チカさんの好きな童話
◆『大きな森の小さな家』
;”>作 ローラ・インガルス・ワイルダー
;”>絵 ガース・ウィリアムズ
◆『ハイジ』
;”>作 J・シュピーリ
;”>絵 パウル・ハイ
◆『赤毛のアン』
;”>作 モンゴメリ
羽海野チカさんと『赤毛のアン』との出会いは、小学校一、二年生の頃でした。
羽海野さんは同じ本を繰り返し読むタイプで、『赤毛のアン』の他に、『ハイジ』や『大きな森の小さな家』シリーズを何度も読み返していたそうです。
どの童話にも食べ物や毎日の生活の様子が描かれ、食べ物のつくりかたまで載っているのがよかったと語り、こうした生活の細部に至る描写は、自身がお母さんから聞いていた子供時代の話と重なり、お母さんの子供の頃のお話なのだと思いながら読んだとのこと。
羽海野さんの漫画でも、よく食べ物のつくりかたまで描かれますが、どうやらそれは子供の頃に読んだ児童文学の影響も大きかったようです。
また、羽海野さんの作品に、普通とはちょっと違う形の家族が多いのも、アンやハイジのようによそから違う世界に来たり、ローラのように家族で開拓という異世界に入っていく物語を読んできた影響があると羽海野さんは言います。
インタビューでは、他にも『赤毛のアン』で好きだったシーンとして、マシュウがアンに袖のドレスをプレゼントする場面や、アンがビスケットをつくってマリラがほめてくれたシーンなどが紹介されていました。
子供におすすめ、海外児童文学
羽海野チカさんのインタビューが終わると、次にMOEがおすすめする77冊の海外児童文学、というコーナーが続きます。
羽海野さんが愛読した三冊以外に、『あしながおじさん』や『若草物語』、『星の王子様』や『モモ』、またジブリ作品になったことでも有名な『思い出のマーニー』や『床下の小人たち』など、大人から子供まで楽しめる海外児童文学が並びます。
ここではないどこか遠い夢の世界が体感できる冒険物語やファンタジー物語、動物たちが活躍する『くまのプーさん』のような温かい物語、また学校や日常など暮らしが描かれた物語など、世界的な名作揃いのラインナップ。
我が子に読ませたい本や、情操教育の一環に、友人の子供へのプレゼントに、また、大人になってもう一度童話に触れたい、と思った方にとって大変参考になるでしょう。