;”>羽海野チカさんの漫画『ハチミツとクローバー(ハチクロ)』では、伝説の登場人物として「ローマイヤ先輩」がいます。一瞬だけ現れ、すぐにいなくなってしまったローマイヤ先輩とは、一体どんなキャラクターなのでしょうか。
ハチクロ「ローマイヤ先輩」とは
ハチクロの一巻の第四話に、「ローマイヤ先輩」なる身も心も大柄の人物が登場します。
ある日、竹本くんや真山さんの住んでいるボロアパートの103号室がずっと空室になっていることに疑問を抱いた竹本くんが、真山さんに、「この部屋って、なんでずっと誰も入らないんですか」と尋ねます。
真山さんは、物憂げな表情で、「そこはローマイヤ先輩の部屋だ」と答えます。
ローマイヤ先輩(本名については記載がありません)は、今は父親が病気で倒れ、大学を休学して実家の農業を手伝っている、「素晴らしい人(真山談)」です。
すると、まもなくローマイヤ先輩がアパートに帰還。JA庄内の箱を抱えているので、ローマイヤ先輩の出身は山形なのでしょう。喋り方も東北なまり全開です。
ローマイヤ先輩は山形県庄内地方の出身ですが(箱に「JA庄内トマト」と書いてある)、彼の方言は地元出身&在住の私が読んでも全く違和感が有りません。
それからソーセージハムもたくさん持ってきてくれ、貧乏で腹を空かせたアパートの住人たちはたちまち輝きを取り戻していきます。
この「ローマイヤ先輩」という名前の由来は、ローマイヤ先輩が持ってきてくれる「ローマイヤハム」にあります。
; font-size: 12px;”>羽海野チカ『ハチミツとクローバー〈1〉』より
ローマイヤハムは実在する会社で、社名はドイツ人創業者の名前に由来します。
今でもあるのかわかりませんが、羽海野チカさん直筆のローマイヤ先輩のイラストが日本橋のローマイヤハムには飾られていたそうです。
画像 : みんなはハチクロの中で誰に共感して誰に憧れましたか?
どうやらローマイヤ先輩がアルバイトでハムの配送業をしていることから、これだけのローマイヤハムが手に入るようです。
ローマイヤ先輩の外見の特徴は、なんといってもその筋肉隆々な肉体(身長は195cm)と、包容力いっぱいの笑顔。
それにローマイヤ先輩の名言と言えば、東京の就職難に沈む真山さんや森田さんに仏のような笑顔で言ったたくましくカッコイイ一言です。
「ま、どーしでも行ぐどこさねぐなったら最後は俺ん家さ来い。俺が面倒見でやる。食うには困らせねーがらな」
しかし、事態は急変。その後再びお父さんが病で倒れ、ローマイヤ先輩は故郷に帰っていってしまいます。
以降、ローマイヤ先輩は本編には登場しません。
一方、番外編として7巻でローマイヤ先輩の物語が描かれます。
物語の舞台は荒川ランド(あらかわ遊園がモデル)。荒川ランドのマスコットキャラで、伝説のヒーロー「ニャンざぶろう」は、もともとは身長167cmの普通のマスコットでした。
入場者数にも大した貢献はなかったニャンざぶろうですが、マスコットの中のひとが変わるやいなや、入場者数も一気に10倍。
身長は195cmあり、その身長と胸板と包容力で子供から大人、ヤンキーまで虜に。
もちろん、そのマスコットの中のひとは、「ローマイヤ先輩」です。
しかし、冒頭で触れたように、ローマイヤ先輩は父親の病の関係で故郷に帰り、荒川ランドも苦境に立たされるかと思いきや、新しい中のひとのおかげで第二次黄金期が訪れるのでした。